糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。日本人を含むアジア人は欧米人に比べて遺伝的にインスリン分泌能が低いと言われています。 そのため、近年の過食や肥満、運動不足などにより糖尿病を発症しやすくなっています。 血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります(糖尿病の急性合併症)。 日本の糖尿病人口は増加の一途をたどっています。 約1000万人が糖尿病と推定されており、糖尿病予備軍は約1000万人いると推計されています。 合わせると2000万人!! 40歳以上の4人に1人が糖尿病または予備軍であることになります。 糖尿病の人はそうでない人に比べると男性で8.2歳、女性で11.2歳寿命が短いというデータもあります。 糖尿病の治療の目的は上述の恐ろしい合併症を食い止めて、生活の質は維持しながら元気で長生きをすることです。 糖尿病は無症状であることが大変恐ろしい病気です。知らず知らずのうちに進行していることも多くあります。健康診断を毎年受けていますか?健康診断の『血糖要精査』を放置していませんか? 糖尿病治療は毎日の積み重ねがとても大切です。 糖尿病専門医として、患者さんのご希望も考慮しながら年齢や生活環境に合わせた最も適切な治療を選択します。 |